クアラルンプール市街と郊外及びその隣接市町を走行するバス網の解説


クアラルンプール市街と郊外及びその隣接市町を走行するバス会社は数社あります。その最大会社が政府資本の持ち株会社 Syarikat Prasarana Negara Berhad (Prasarana) の翼下にある Rapid KL です。Rapid KL はバス網 及び高架電車LRTの Ampang Line と Sri Petaling Line (旧名STAR line )と、 Kelana Jaya Line (旧名 PUTRA line )を所有し運営しています。2009年になってKL モノレールも持ち株会社の翼下に入ったので運営するようになりました。

その次ぎに路線数が多い大手のバス会社はMetroバスです。こちらは全便に車掌が乗っており、ゾーン運賃制を施行しています。最下段をご覧ください。他にも Len Seng バス、SJ バス、 Selangor バスなど数社があります。

最終更新:2012年10月10日

バス到着電光掲示盤
2012年10月初め頃から写真に示したような、バス到着を知らせる電光掲示盤が使用開始された。といってもまだ限られた路線の主だったバス停だけであり、今後この掲示盤がどの程度設置されるのかは、現時点では不明です。



Rapid KLバスが2009年9月初めから運賃体系の改定及び値上げを実施

国内のバスとタクシーからなる公共交通機関の運賃が値上がりすることを受けて、クアラルンプール圏の最大バス網である(且つ公共企業体である)Rapid KL バスも運賃が9月初めから値上がりしました。

Rapid KL バスには 4種のバス種があります:Tバス 切符代 RM1、Uバス 切符代 RM 2、Bバス 切符代 RM 2  E バス 切符代 RM 5。 現在乗客は 1回切符を買えば、その日は同種バスであれば乗り放題です。(例:Uバスの切符ではBバスには乗れない)。しかし値上げ後は、その日1日間の乗り放題制は廃止され、乗車毎に切符を買わなければなりません。 

Bバスは1回の運賃 RM 1 になり、Eバスは1回運賃 RM 3.80 になります。そして最大の変化は Uバス種です。つまり乗車区間にゾーン制が復活して、乗車するゾーン数によって運賃に変化が出ます: 同一ゾーン内のみ 1回運賃RM 1.0、 2ゾーンにまたがる 1回運賃 RM 1.90、3ゾーンにまたがる 1回運賃RM 2.5、 4ゾーンにまたがる 1回運賃 RM 3.0、 

Rapid KL側は利用者に対して、値上げの影響を軽減するために1ヶ月定期券を購入することを勧めています。4種類あります:

2009年9月から実施のバス種別運賃
バス種類記号1回乗りの新運賃
-
-
-
Tempatan
T
RM 1.0
-
-
-
Bandar
B
RM 1.0
-
-
-
Utama
U
同一ゾーン内
RM 1.0
2ゾーンに渡る
RM 1.9
3ゾーンに渡る
RM 2.5
4ゾーンに渡る
RM 3.0
Express
E
RM 3.8
-
-
-

2009年9月から実施の定期券種類
月間定期券種類
Tバス
Bバス
Uバス
Eバス
高架電車2路線
モノレール
月額
Tバス専用
OK
-
-
-
-
-
RM 40
総合バス(Semua)
OK
OK
OK
-
-
-
RM 100
総合バス・高架電車統合定期
OK
OK
OK
OK
OK
2009年12月
よりOK となる
RM 150
高架電車専用定期
-
-
-
-
OK
-
RM 100
割引定期 (高齢・身障・生徒)
OK
OK
OK
-
-
-
RM 50

Rapid KLバスの運行概略図

赤丸の数字の意味: @LRT Pasar Seni 駅前  ALRT Maluri 駅横  BKLCC   CLRT Titiwangsa 駅横

この項は2009年9月3日更新

Rapid KL バスのハブ発着場はクアラルンプール市内のいくつかの地区に分かれており、且つ同一地区に複数個所ある所もある。主な発着場をあげておきます。



民間バスの場合

Rapid KL ではない、Metro バスに代表される民間バスも基本的にこのゾーンシステムを取り入れます。ですから Rapid KL バスと平行して走行している区間では民間バスも大体同料金となります、しかし全く同一に運用しているとはいえないようです。 
尚クアラルンプールではもう走行してないが、郊外の一部でまだ使われているミニバスは 1回乗り運賃 RM 1となります。非冷房ミニバスは90セントです。

20010年2月

 Rapid KLバスがまたまた路線修正を発表 (2009年11月13日の新聞記事から)

クアラルンプール及びその近郊の公共バスを運行する Rapid KL はそのバス網の再編を (また) 発表しました。これは今年9月初めから取り入れた運賃ゾーン制を一部修正するものです。ゾーン制復活によって、利用者は乗り換えることで以前よりも運賃がかかるようになったからです。 今回の路線改正は11月16日から施行され、45のRapid KLバス路線が変更となります。その内 32の Uバス路線はルート自体はほぼ同じだが、発着のバス停をよりクアラルンプール中心部まで延ばします。これによって修正路線のUバスはクアラルンプール中心部へ乗り換えなく到達できることになります。 

その他11の路線は運広範囲をよりよくするために改正されました。残る2路線は今回新たに導入されました。これとは別に9つの路線がBバスなどと重なるととになるとの理由で廃止されます。「廃止される路線は他の路線のバスで十分に代替できます。」とRapid KL側。 今回の修正は利用者の声を取り入れて行ったとのことです。 修正に関するお知らせは該当バスの車内に掲げ始めているが、パンフレットはまだ用意していないとのことです。「情報はRapidKLのサイトに12日から載せました。」

Intraasia追記: B バスは6路線も廃止されて、残った路線は B103, B112, B114, B115 のわずか4路線に過ぎません。

今回の改正で多くのRapid KL バスが KL中心部の Lebuh Ampang通り一帯( 含む Medan Pasar, Pasar Seni) に集まることになります
Rapid KL バス網は現在 1週間で270万人の利用者数であり、全部で165の路線をクアラルンプール圏で運行しています。www.rapidkl.com.my

Intraasia 注:Rapid KLバスの以前の路線体系により近づいたということです。Rapid KLは3年半ほど前に運行体系を完全なハブ方式に変える大改革を行いました。当時郊外からのUバスはクアラルンプール周辺の5つハブとの間だけの運行で、中心部内はBバスだけが運行する形でした。そのため乗り換えの不便さが声高くなり、その後数年間で数回の路線修正で次第に中心部へ直接乗り入れるUバスが多くなりました。今回はその仕上げともいえます。つまり4年ほど前の形に近づいたということです。 Rapid KLバスのハブ化で得したのは郊外と中心部間を運行するMetro バスです、この4年弱でMetro バスは多いに路線を増やしましたからね。クアラルンプールと郊外における公共バスのハブ化はこうして不成功という結果に終わったわけです。それは公民の両界におけるバス運行優先思想の欠如が最大の原因です。なおなんとか成功している例外は郊外の LRTの各駅を起点に巡回するTバスです。もちろん当局もRapid KL も公式にはそんなことは言いませんが、実態は失敗であったということです。


関連ニュース  (2010年1月の新聞記事を基にして)

クアラルンプール圏の公共交通、とりわけバス網の向上策の1つとして、まず2種類のバス運行方式が導入されます: Bus Expressway Transit とBus Rapid Transit、及びバスレーンを拡張
1月12日から運航開始
BET 1: Kota damansara - Pasar Seni (JalanSultanMohamed)  Penchala Kerinchi Link 経由
BET 2: Bandar Sunga iLong - Pasar Seni (JalanSultanMohamed) Grand Saga ハイウエー経由
1月21日から運行開始
BET 3 : Subang Mewah - Pasar Seni 路線
BET 4: Sri Muda - Pasar Seni 路線
クアラルンプール圏で何らかのバス路線を運行しているバス会社は 13社あります。内公営の Rapid KL が半数を占め、710台の車両を擁しています。2年以内にさらに400台を購入するとのことです。 バス停の改良も計画に上っています。


Rapid KLにおける切符・乗車料金徴収に関する最新の変更点 -2011年4月時点

Transit card の導入: 2011年2月末から Rapid KL バス路線で少しづつ導入され、3月末までにその全バス路線に導入された。 その後2011年後半になってRapid KL はmyrapid カードという名称にしたようだ。これで3つも呼称ができたことになる:  Transit カード、rabbitカード、そして最新のmyrapidカード 、 呼び名をころころ変えると混乱するだけだ。

Transit Card の説明

Transit Card の使い方

Transit Card はTouch 'n Go カードと同じ機能ですから、バスの読取装置で Touch 'n Go カードも同様に使うことができます。従って Transit Card はRapid KLの高架電車(LRT)路線でも使用できるということです。Rapid KL親会社の傘下に入ったモノレールでもTransit Card は使える。

従来と変わらず、乗車時にバス運転手に運賃を支払って紙の切符を受け取る方式は続いています。現実にはこういう乗客のほうが圧倒的に多い。

Rapid KLバスにおける乗車料金徴収における変化 -2011年11月12月時点

Rapid KL バスが myrapid (rabbit) カードを導入した頃 Rapid KL は、いずれ運賃支払いはこのプリペード式IC カード使用だけに限定する意向を表明していました。つまり現金を運転手横の箱に入れて紙の切符を受け取る方式は次第になくすといった趣旨でした。現実にそんなことできるだろうかと思いました、イントラアジアのよく利用するいくつかの路線バスでは、今年4月頃においても現金で切符購入する客が大半でしたから。ただ当時既に現金での切符購入は受け付けないごく一部の路線があるそうだとの情報を得ました。さらに最近ある読者からも同じような指摘を書いたメールが届きました。

11月時点で確認したことは、Rapid KL の運行会社は案内の発言としては運賃支払いはmyrapid (rabbit) カード使用だけに限定すると答えています。すべてのRapid KL バス路線がこれを実施しているかどうかまではわかりませんが、Rapid KLバスでは 紙の切符を発行しないつまり1回1回現金を払う方式では乗れない路線が圧倒的に増えたということは確かです。しかし現実に運転手が現金を受領しているバス路線も依然として少なからずある。

myrapid カードはLRT駅で販売しており、カードへの追加入金もLRT駅で行える。 カード価格はRM20、その内 RM10 は保証金部分。使用するためにはカードに最低RM 3残っていること。なおmyrapid カードキャンペーン時には20リンギット以下でも販売しているようだ。

2011年12月8日記


Rapid KL バスではない民間バスに関する批評

バス車輛を個人に貸し出すバス会社 −2009年6月11日の新聞の記事からを再録

クアラルンプールとペタリンジャヤのバス運転手を眺めると、その多くが乱暴で、乗客と他の道路利用者の安全に無頓着であることが観察されます。この問題はバスの停車の仕方でさらに悪化します、とりわけクアラルンプール中心部の Jalan tun h. S. lee, Jalan Silang, Lebuh Pudu がひどく交通を妨害しています。状況はよくなるようには見えません。

こういった状況を作り出している要因に次のようなことがあります; バス運転手の中にバス車輛と運行免許をリース借りして営業している者がいることで、そういった運転手はリース代として日にRM 700を払っています。業界筋によれば、忙しい区間を運行するバスであれば、運転手は日にRM 2000の水揚げがあるとのことです。ですから、高い日当たりリース代もカバーできます。

別の要因としてです、こういうバスが忙しい通りを我が物顔に通行して乗客を1人でも多く乗せようと大声で叫んでいますが、これは運転手に12%と車掌に10%のコミッションが支払われるからです。  

こういった状況を眺めると、かつての悪名高いミニバスとあくどいタクシー運転手に似ています。当時ミニバスが起こしていた終わりのない悩みがまた沸き起こっています。終わりなき問題には例えば:利益の出ない路線を運行しようとしないこと、道順を変えてしまうこと、乗客を詰め込みすぎること、乱暴運転などです。
決められた停留所で乗客を乗降させない、いろんな場所ではクラクションを鳴らしまくる、ラッシュアワー時だけに車を走らせる、といったことは都市交通全体の流れを妨げるものです。 ある特定のバス会社の運転手の中には、(そのこと自体違法行為である)外国人がいるという観察もあります。バス運転手は商業車輛運転免許が必要です。

以前から大衆から苦情の指を指される一番の対象である、あるバス会社は、堂々とそのバス車輛を貸し出しています。新聞社の質問に答えて、そのバス会社の責任者は、ある種のフランチャイズシステムによって個人にバス事業をリースしているとのことです。「そのフランチャイズ権の価格はバス1台当たり RM 65,000のロイヤリティーが必要である。加えて1日当たり 貸し賃としてRM 260かかります。この額は簡単に払えます、なぜなら平均的な区間でも日の水揚げはRM 700あるからです。運転手と車掌にはコミッションとして 10%程度を支払われています」

首都圏の大衆交通の向上を求める協会の相談役は言う、「このいわゆるバスリース仕組みはひどい状況からよりひどい状況になっています。基本的にこれはタクシー運転手がその免許と車を他人に貸し出すのと基本的に似ています。これは規則違反であり、商業車両免許授与庁は厳しく対処すべきなのに、そうはなっていない。」 商業車両免許授与庁の長官は、このリース方式は違法であると言明しました。「彼らが何と呼ぼうと、バス車輛を貸し出すのは各種の規則と法に違反します。」 「わが庁はそういう不正行為は知っており、監視しています。しかしながらこれまでに我々がつかんでいるのは非難のことばと推測だけです。容疑者はずる賢くて証拠を残さない。」 「我が庁が証拠を握ったら取り締まりに入ることを保証します。」

一方、公共企業体である RapidKLバスの責任者は、「バスは時刻表に従って運行されるべきであり、乗客の多寡によって運行すべきではない。」「バス運行を悪化させている首都圏の交通状況に対抗するために、バスレーンを施行すべきです。」

Intraasia注:ここで言及されているバス会社はいうまでもなく、M バスのことでしょう。クアラルンプール圏の数ある民間バス会社の中で最大手であり同時に上記で描写された行為を一番ひどく行っているバスですね。そもそも切符売り上げつまりバス乗客数に比例するコミッションを払うようなバスの運行スタイルが間違いの基です。タクシーじゃあるまいし。すべてはこのために、満席にならない限りいつまで経っても発車しない、バス停に居座りついてrapid KLバスを妨害する、クラクションで客呼び込む、乱暴運転などなどを生んでいます。バス車輛を個人にリースするというのは、路線数の少ない零細・小長距離バス会社がそのバス車輛と運行免許を個人にリースするあり方に同じですね。こんなことやられたら、バスのあるべき運行などできるわけありません。何度も書くように、クアラルンプール圏のバス運行改善には強い政治意欲と官僚機構のえこひいきない朝から晩までの強い取りしまりが必須です。



過去情報

これより下は全て、現在では変更されたり、廃止されたりしている旧運行形態です。これまでいくたびとなされた変化と経過を知るために多いに役立つので、参考にしてください。

過去の参考:Rapid KL バスの最新運行システム −2007年9月後半時点

以下のように 2007年4月にまたまた改正が行われました。:




記号
月曜日から土曜日
日曜と祭日運賃
バス種類の
マレーシア語名
日本語で意訳した名称
6時−21時 5時半−9時
21時−終発
6時−21時

Bandaraya
KLシティシャトルバス
B
10分
20分
20分
RM 2

Utama
幹線連絡バス
U
15分
30分
30分
RM 2

Tempatan
ローカルシャトルバス
T
15分
30分
30分
RM 1

Ekspres
エクスプレスバス
E
30分
60分
60分
RM 5


例外としてEkspres だけに片道切符があり、RM 3です。
注意: Rapid KL バス全路線に加えてLRT高架電車にも乗り放題できた Pas Harian SemuaSepadu 切符 とバスの乗り放題のPass Harian Semua 切符が 2008年3月電車駅での販売がなくなり、ついに 2008年11月末をもって廃止されました。この種の切符がなくなるのは残念ですね

旅行者にも利用しやすいKLシティシャトルバス



起点ハブ
主たる経由地
起点ハブ
B101
Titiwangsa
Jalan TAR
Kota raya
KL Sentral
09年11月廃止
B102
Titiwangsa
Cow Kit
Masujid Kg baru
KL Tower
Bukit Bintang
09年11月廃止
B103
Titiwangsa
KLCC
KL Tower
Bukit Bintang

B105
KLCC
Kota raya
KL Sentral
LRT Bangsar
Mid Valley Megamall
09年11月廃止
B110
Mid Valley Megamall
KL Sentral
Bankok bank
-
Bukit Bintang
09年11月廃止
B111
Maluri
Jalan Pudu
LRT Masjid jame
-
Chow Kit
09年11月廃止
B112
Maluri
-
-
Kota raya
KL Sentral

B113
Maluri
-
Bukit Bintang地区
Jln RajaChulan
Pasar Seni
09年11月廃止
B114
Maluri
Jln Tun Razak
-
KLCC (復路)
Titiwangsa

B115
Pasar Seni
LRT Masjid Jamek
-
-
Jln Duta, Komp. Kerajaan









T ( ローカルシャトルバス) は郊外のある基点を中心として周回しているバスです。中心部ではまったく運行されていません
U (幹線連絡バス) は郊外とクアラルンプール中心部の起点間を結ぶ路線が多い。クアラルンプール内外の地理がよくわからない方に説明は難しいので省きます。
E (エクスプレスバス) E1:Pasar Seni と Putra Jaya間、 E3: Putrajaya と BandarUtama間


Rapid KL のいわゆる 乗り放題パス
3種の1ヶ月間乗り放題パスがあり、2007年11月に値上がりしました:


Rapid KL のヘルプ電話 03-7625 6999/7885 2585          www.rapidkl.com.my

Rapid KL の現状と計画 −2008年8月20日の「新聞の記事から」

6月のガソリン類値上げ以後、首都圏公共バスと高架電車の運営体である Rapid KLによれば、バス網の乗客増は7.5%、 高架電車(LRT)の乗客増は3.9%です。これによってRapid KLバスは1日の利用乗客数 39万人となり、高架電車は32万人です。 Rapid KLの親会社であるSPNBは、2009年から2011年末までに4両編成の新車輛 22組 を購入します。この計画では、まず2009年末には Kelana jaya 路線で現行の2両編成電車に加えて4両編成電車が登場します。最終的にKelana jaya 路線の輸送能力は現行の 1日16万の倍弱になります。

高架電車のもう一つの路線 Ampang 路線では乗客向けの駅前駐車収容台数に余裕があります。収容台数が200台を超える駅は、Cempaka, Pandan Indah、Pandan jaya,の各駅です。150台ほどの駅はSentul Timur, Pudu各 駅、Maluri駅が200台です。 「ですから駅前に駐車して高架電車利用を奨励しています」 またRapid KL側は、乗客扱いにおいて大きな問題には面していないと主張しています。

Rapid KLバスの路線数は2005年の140路線から現在は161路線に増えました。ピーク時に使用される車両数は650台とのことで、これは2005年当時の470台よりぐっと増えています。Rapid KLバス側の説明では、「首都圏のバス会社は他に18社ありますので、Rapid KLバスの輸送割合は全体の55% だと推定しています。」 「乗客数の極めて少ない社会的責任路線も23区間運営しています。他社もこうした路線を運営して欲しいと期待しています。」
Rapid KLバスは現在運転手雇用を積極的に行っているそうです。運転手の給料は少なくともRM 1500ぐらいになります。


Rapid KL の バス網 大改革

このページでは主として、大クアラルンプール圏の全地域を対象に2006年に段階を追って導入され、完成した Rapid KL バスの新システムを解説します。

KLシティーシャトル

まずKL City Shuttle が最初に導入され、これが各Area での新システム運行の基盤となっています。このページ下段に載せた詳しい解説をよくお読みになって利用してください。旅行者にも多いに役立つバス便ですよ
KL 中心部のハブ間を結ぶバス網 (詳しくは下段で説明しています)
運行タイプ・サービス 基調色
バス番号
運行範囲と運行スタイル 1日乗り放題切符
マレーシア語名
最終的
路線数
運行間隔
歌い文句
KL City Shuttle 赤色
100番代
市内中心部の5つのハブ
間を互いに結ぶ運行
RM 2
Pas Harian Bandar
15路線5分


Rapid KL 新システムのバス乗り放題切符の説明

  1. ”Pas Harian Bandar” 切符は全てのKLCity Shttle に1日中有効に使え、幹線連絡バスの切符は幹線連絡バスだけに1日中使えます。料金 RM 2。
  2. ”Pas Harian Semua”  は3種ある運行タイプのどのバスにも適用できる、 Rapid KLバス路線 1日乗り放題切符です、料金 RM 4。
  3. "Pass Harian Sepadu"  が上記に加えて2006年5月3日から発売されました。 Rapid KLバス 4種 (3種 + Ekspres バス) + LRT高架電車全路線の両方に適用できる 1日乗り放題切符で、 料金 RM 7 。下の写真がその切符です。


Rapid KL の バス網 Area 2  - 2006年3月18日より運行開始 -

上で触れた"KL City シャトルバス" サービス” に続く、Rapid KLが運行するバス網大改革の第2弾が Area 2を対象にして 3月18日から始まりました。

クアラルンプール市内の中心部を核とすれば、その核と郊外の拠点を結ぶいわば直線の運行路線、及びその郊外拠点とそこから広がる各地を結ぶ放射線状の運行路線、というように、これまでのバス路線を2種に大別しました。つまりRapid KLは、すでに1月から運行されている"KL City シャトルバス" を加えて、全部で 3種のバス運行タイプ・サービスを設けたことになります。

近い将来されるとのことですが、3月18日から施行に入ったのは次ぎの5地区です:Kepong, Selayang, Gombak, Batu Caves, Sentul 。 これらの地区は行政的には一部クアラルンプールに含まれますが、大体はスランゴール州に属す地区です。

Area 2: Kepong, Selayang, Gombak, Batu Caves, Sentul の5地区
運行タイプ・
サービス
基調色
バス番号
運行範囲と運行スタイル 1日乗り放題切符
マレーシア語名
最終的
路線数
運行間隔
歌い文句
幹線連絡
(Trunk line)
青色 市内の各ハブと郊外の拠点
間を結ぶ運行
RM 2
Pas Harian Utama
4路線10分
2T1: Ttitiwangsa -Jalan Pahang-Greenwood
2T2: Titiwangsa - Jalan Sentul -Greenwood
2T3: Titiwangsa - Sg Mas -Warta Lama
2T4: Titiwangsa - Sg Mas-Metro Prima
ローカルシャトル 緑色
200番代
郊外の拠点を発着地として
その近郊を運行する
RM 1
Pas Harian Tempatan
35路線15分

注記:


Rapid KL の バス網 Area 3  - 2006年4月30日より運行開始 -

4月30日からArea3 と呼ぶ次ぎの地区で、幹線連絡バスとローカルシャトルバスの運行が始まりました。

Taman Melawati, Hulu Kelang, Wangsa Maju, Setapak, Keramat, Pandan, Ampang
運行タイプ・
サービス
基調色
バス番号
運行範囲と運行スタイル 1日乗り放題切符
マレーシア語名
最終的
路線数
運行間隔
歌い文句
幹線連絡
(Trunk line)
青色 市内の各ハブと郊外の拠点
間を結ぶ運行
RM 2
Pas Harian Utama
3路線10分
T20: Titiwangsa - LRT W Maju -Giant HuluKelang
T21: KLCC - AU3 Jentayu
T22: KLCC- Ampang point -Sri Nilam
ローカルシャトル 緑色
300番代
郊外の拠点を発着地として
その近郊を運行する
RM 1
Pas Harian Tempatan
25路線15分


Rapid KL バスの新システムを通じての問題点

  1.  KL City Shuttle に関しては1月で全路線を乗り、その後も乗り続けており、軽く100回は超します。次ぎに開始された 幹線連絡 と ローカルシャトル に関しては、5月初旬の時点までで、90%以上の路線を乗りました。複数回乗っている便もかなりあるので、幹線連絡 と ローカルシャトル だけでもすでに合わせて3桁回数乗りました。その結果はっきり言えるのは、運行間隔の歌い文句は、あくまでも歌い文句であり、実際にこの通りにほとんど運行されていないし、それは不可能 だということです。
  2.  これまで郊外からのバスは、クアラルンプール中心部のバス発着集合地である Medan pasar & Central Market & Kotaraya 界隈との間を直接結んでいた。しかしこれがすべて City Shuttle バスのハブ、例えば Titiwangsa との間を結ぶ形になった。つまりクアラルンプール中心部へ行く場合はそこで乗り換えなければならない。Titiwangsaが狭いので乗り換えはあまりスムーズにいかないし、且つ雨に濡れることにもなる。ハブはKL Sentral を除けばどこも狭く、且つバス、タクシー、自家用車といった他の車両が割り込んでくるので、バス乗車は決して気楽にはいかない。特に雨の日はひどい。


その後 Area 4 において7月初め導入、そして最後に Area 5& 6 では9月20日に導入されました。これでRapidKLの新バスシステムの導入が完成しました。どのArea でもハブと郊外の拠点を結ぶ直線の運行路線、及びその郊外拠点とそこから広がる各地を結ぶ放射線状の運行路線というあり方をとっています。

Area 4 :Cheras, Hulu Langat, Kajang, Bandar Baru Bangi, Serdang, Putrajaya Cyberjaya, Sg Busi, Balakong 
Area 5:Puchong, Subang Jaya, Petaling Jaya Selatan, Jln Klang Lama, Sri Petaling, Pelabuhan Klang, Klang , Shah Alam Selatan,Suri Muda, Alam Megah, Pantai Dalam 
Area 6: Bandar Utama, Taman Tun Dr. Ismail, Jalan Duta, Bangsar, Petaling Jaya, Shah Alam Utara, Terminal Subang, Lembah Subang, Subang Perdana, Kelana Jaya, Damansara, LRT Stesyen


Ekspres バスのこと

Area 5 & 6 の導入に伴って、Ekspres バスという種が 新しく運行を始めました。これを加えて、Rapid KLバスは4種になったわけです。Ekspres バスは、例 KL Sentral - Terminal Kajang 、 KL Sentral - Putrajaya Sentral というように、クアラルンプール圏内での主要起点地間を直接結ぶ便でが、種類はごく少なく且つ運行間隔が1番長い。運賃はRM 4 (乗り放題だが他の種類バスには適用されない)

運行間隔の変更

当サイトで最初から、実現不可能な歌い文句に過ぎないと、批判してきた、Rapid KL バスの運行間隔歌い文句が2006年10月から変更されました。当初の文句より、現実に多少近づいたと言えます。次ぎの表が新運行間隔です。



2007年4月
導入記号
月曜日から土曜日
日曜と祭日運賃
バス種類の
マレーシア語名
日本語で意訳した名称
6時−21時 5時半−9時
21時−終発
6時−21時
Bandaraya
KLシティシャトルバス
B
10分
20分
20分
RM 2
Utama
幹線連絡バス
U
15分
30分
30分
RM 2
Tempatan
ローカルシャトルバス
T
15分
30分
30分
RM 1
Ekspres
エクスプレスバス
30分
60分
60分



幹線連絡バス (青色の丸マークのついたバス)の紹介

Pas Harian Utama RM 2 でこの幹線連絡バスが1日乗り放題です(何種類でも何回でも乗れるということ)。クアラルンプールと郊外の拠点を結んでいるので、上手に使えばたいへん安価に郊外とクアラルンプールが往復できます。次ぎの表はその抜粋です。

バス番号発着ターミナル主たる経由地発着ターミナル注記
T40
MaluriTaman SegarTerminal Kajang
T41
KTM Serdang 駅LRT Chang Sow Lin駅Maluri
T42
Putrajaya Sentral 
KTM Serdang 駅
T43
Putrajaya Sentral IOI モール、 LRT KelanaJaya駅Bandar Utamaかなりの距離
T60
KL Sentral Midvalley, Jlan Klang Lama, IOIPuchong Utama
T61
KL SentralPearl pointPetaling Utama
T62
Sunway Pyramid
Klang
T63
KL SentralAsia Jaya, Sunway Pyramid, SummitUSJ 8
T64
KL SentralAsia Jaya, Taman Sri Mudaシャーラム
T80
KL Sentral 駅Asia JayaUTM Seksyen 2
T81
KL Sentral 駅Asia Jaya, Batu 10Subang Perdana
T82
KL Sentral 駅Pusat Bandar Damansara, DamansaraBandar Utama
T 86
Metro Prima(Kepong)Kepong, Ikano, Tesco, Bandar Utama






例: KL Sentral からT82 −T43 - T 42 というように乗り継げます。ただし待ち時間は相当覚悟すること。

以上は2006年11月20日最終更新

Rapid KL の "KL City シャトルバス" の創設  - 2006年1月16日より開始 -

開始に至った経緯はすぐ下の新聞記事をご覧ください。シャトルバスの特徴は:

私は開始前3日間の無料サービス期間を含めてこの15路線中の全路線に往復乗ってみました。クアラルンプールの街は一方通行道路が少なくないため、ほとんどの路線は往路の一部と復路の一部が結構違うので、調べるためには往復乗ってみる必要があるのです。その結果わかったことは、いくつかの区間では明らかにバス車両数が不充分であったり、交通渋滞のために定期間隔運行は全くなされていない。且つ5分間隔運行などは不可能であるのが目に見えている、乗客が増えるとは思えない路線が数路線あります。

そういう弱点もあって小さな点での早急な修正は必要ではあるが、たいへん良いサービスであると言えます。旅行者がクアラルンプール中心部の地理を覚えるために、このバスを使えば効果的ですね、さらに下車して散策しまた乗るという方法が使えます。旅行者にお勧めのルートには”旅”のマークをつけておきました。

5箇所あるハブの場所は、KLSentral を除いて、いずれも路上の発着場です

路線
番号
発車する
ハブ
運行方向 →
主な経由通りまたは停車地

到着ハブ且つ
発車ハブ
運行方向 →
主な経由通りまたは停車地

到着する
ハブ
101Titiwangsa Tuank Abdul Rahman通り
Sogo, 独立広場
Medan Pasar Sogo、Raja Laut通り
クアラルンプール病院
Titiwangsa
102Titiwangsa チョーキット、カンポンバル
Telekom
Medan Pasar PlazaCity、カンポンバル
チョーキット
Titiwangsa
103Titiwangsa チョーキット、 Raja Muda
A.Aziz通り、日航ホテル

KLCC Raja Muda A.Aziz通り
チョーキット入り口
Titiwangsa
104Titiwangsa 国立劇場、美術館
Tn Razak 通り、日航ホテル
KLCC Tnn Razak 通り、図書館
国立劇場
Titiwangsa
105KLCC マレーシアツーリズムセンタ
モノレール Bukit Nanas 駅
Medan Pasar LRT駅Dang Wangi,
マレーシアツーリズムセンタ
KLCC会議場
KLCC
106KLCC KLタワー
マレーシアツーリズムセンタ
ブキットビンタン街、Lot10
周遊タイプ Concorde ホテル
Ampang通り
KLCC会議場
KLCC
107Maluri チェラス通り
ブキットビンタン街

周遊タイプ LRT HangTuah駅
チェラス通り

Maluri
108 Medan
Pasar
KLタワー、ブキットビンタン街
インビ通り、Plaza Rakyat,
周遊タイプ インドネシア大使館、
Star Hill、ラジャチュラン通り

Medan
Pasar
109KL Sentral 国立博物館、国立モスク
独立広場、Raja Laut通り
Titiwangsa Tuank Abdul Rahman通り
Dayabumi、マレー鉄道KL駅
国立博物館
KL Sentral
110KL Sentral マレー鉄道KL駅、
セントラルマーケット
Medan Pasar ものすごい大回りのルート
となる

KL Sentral
111MaluriPudu通り、プドゥラヤ、
Medan PasarPudu通り、Cheras通り
Maluri
112Maluri チェラス通り
モノレール駅Maharajalela

KL Sentral モノレール駅Maharajalela
チェラス通り

Maluri
113 Medan
Pasar
Raja Chulan通り、KLタワー
Lot 10, Times Square 
Maluri Pudu通り、ブキットビンタン街
Raja Chulan通り、KLタワー
Medan
Pasar
114Maluri チェラス通り、TunRazak通り
日航ホテル、Ampang通り

KLCC KLCC 会議場、
Tun Razak通り、チェラス通り

Maluri
115KL Sentral 国立博物館、国立モスク
レイクガーデン、
周遊タイプJKRビル、 DayabumiKL Sentral
路線
番号
発車する
ハブ
運行方向 →
主な経由通りまたは停車地

到着ハブ且つ
発車ハブ
運行方向 →
主な経由通りまたは停車地

到着する
ハブ


2006年1月9日の新聞の記事から 「RapidKLバスが新車導入しシャトルサービス開始」

クアラルンプール内外で最大の乗合バス網を運営するRapid KL は新しく120台の新車を導入します。これが現行の1117台に加わることになります。購入したのはRapid KL の持ち株会社にあたるSPN社です。 Rapid KL のCEOは説明する、新型バスは乗り口のステップをこれまでの3段から2段に減らした低段にして乗客の便を図っています、さらに身障者などとの会話のためにバス内部と外側を結ぶマイクロフォンを設置しているなど、様々な改良点がある、と。

Rapid KL は新しいバスネットワークをこの1月中旬から導入するとのことで、クアラルンプール市内ビジネス中心地区と5つのハブ間をそれぞれ結んで走行するシャトルバスを15ルート走行させ、どのルートも定期間隔運行を目指します、とのことです。5つのハブとは、KL Sentral, Titiwangsa, KLCC, Pasarkyat, Taman Maluri です。

SPN社は今年さらに600台の新型バスを購入したいとしています。新しいシャトルバスシステムの運賃体系はまだ検討中です。新バスサービスシステムは、今年中頃には 順次RapidKLの郊外型バスにも取り入れて行くとのことです。

以上2006年1月21日掲載

歴月定期券 Monthly Travel Card  -2005年8月から実施-

8月初めから、Rapid KL の定期券方針が大きく変わりました。Rapid KL についてはこのページの中段をご覧ください。
Rapid KL翼下にある交通機間でこれまでそれぞれが発行・通用していた定期乗車券(つまり、乗り放題パスのこと):Rapid KLバス網用の乗り放題1ヶ月間パス Rapid Bus PASS 3種とも、 及び高架電車LRT網のPutraline 及びStarline で発売・通用されていた 乗り放題1ヶ月間パス MonthlyTravelCard 2種とも、 が全て廃止されました
その替わりとして、新に次ぎの3種の1ヶ月間乗り放題パスが登場しました:


下段で経緯を説明したように、政府の持ち株会社であるSPNB が所有する Rapid KL は、現在クアラルンプール及び近郊を走っている大多数のバス網と高架電車網を保有・運行しています。そのRapid KL が翼下のバスと高架電車の一体化をより進め、乗客の交通機間利用面での利便性をより図るためとして、今回この新しい定期乗車券システムに移管したと推測できます。

基本点

注意
Metro バス、Len Seng バスなど他の民営バス、及びモノレールはRapid KL とは関係ありませんので、このMonthly Travel Cardはもちろん使えません。

高架電車網の改名

これに伴って高架電車LRT のSTAR lineが Ampang Line と Sri Petaling Line に、 PUTRA line が Kelana Jaya Line とそれぞれ改名された。しかし巷では依然として旧名の方がとおりが良い。


ゾーン制運賃制

クアラルンプールを起点とするバス網はRapid KL を除いて全てゾーン運賃制を適用しています。
ゾーンの設定はクアラルンプールの市内中心部 つまりバス網発着の中心であるコタラヤとセントラルマーケットあたりを真中として、いわば同心円状に設定されています。ですから中心から離れるにしたがって、第2ゾーン、第3ゾーン、第4ゾーンとなります。ゾーン制の長所はバス停からバス停までの運賃が比較的わかりやすいことですね。反面、1区間乗っただけでも隣のゾーンに入れば RM 1.5 と高くなる短所もでてきます。
2005年5月実施の新運賃表
目的地第1ゾーン第2ゾーン第3ゾーン第4ゾーン
第1ゾーンRM 0.90RM 1.50RM 2.00RM 2.50
第2ゾーンRM 1.50RM 0.90RM 1.50RM 2.00
第3ゾーンRM 2.00RM 1.50RM 0.90RM 1.50
第4ゾーンRM 2.50RM 2.00RM 1.50RM 0.90


市内発着バスの集中地

クアラルンプール市内発のバスの9割ぐらいが集まる一大発着中心地は、Kotayara、Bankok Bank、セントラルマーケット、時計搭、SinarKota、Jalan Silang (Tun Tan Siew Sin) 、の界隈です。この半径100mほどの地帯に、それぞれの方面行き毎に発車地点が固定されており、10箇所ちょっとあります。例えば Sunway、Taipan方面はKotaraya対面の道路際からというようにです。ただし専門の発車ターミナルは一つもありません、すべて道路際に簡易にこしらえた待ち場か、それすらない場所もあります。

クアラルンプール市内発のバスの9割ぐらいが集まる一大発着中心地 の地図が別ページで開きます。印刷された方が見やすいでしょう。(2004年11月19日掲載)